2021年01月17日

てくてく散歩@蛭ヶ岳

「あー寒い…」
寒波による冷え込みに見舞われ、口癖のようになってしまいました。
幸い積雪には至りませんでしたが、東京にも雪の予報が出るなど、冬シーズンが本格化してきています。
寒さを苦手とする私は、この時期は家の中でヌクヌクと過ごす事を常としているのですが…知人から誘いを受けてしまいました。

正直、行きたくない…

しかし、断ればまたブツブツと文句を浴びせられ、「付き合いが悪い」「この軟弱者」と非難されるのも嫌だ。

1月16日(土) 快晴 メンバー:ふたり
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早朝の県道を車で走り抜け、青根地区にあります蛭ヶ岳登山口へとやって来ました。
6時半の時点で、他に車が6~7台停まっていました。蛭ヶ岳への最短コースになる小屋戸沢尾根、人気があるようです。
準備をして出発します。

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まずは八丁坂ノ頭を目指し、グイグイと坂道を登って行きます。
今日は冷え込みが弱く、ブルブルと震えるような事はありません。モノレールの軌道に沿って順調に歩を進めます。

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姫次(ひめつぎ)にやって来ました。
お、富士山の立派なお姿が見えております。知人のために嫌々同行して来ましたが、この景観を眺めると「来て良かった」と思えます。澄んだ空気に爽やかな青空。気持ち良いですね。

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道には少しずつ雪が混ざってきました。凍っておらず、サクサクと歩くには問題ありません。お喋りの知人がこの日は珍しく口数が少なく、歩行訓練のようなペースでグイグイと歩いて行きます。「正月休みで鈍っているから」とは言え、かなりのハイペースです。

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山頂直下にある連続階段。黙々と登ってゆく知人はまるで修験者のようでした。
ここまでほとんど休憩なし。普段ならベンチがあればとりあえず座ってみる人が…今日は気合いが入っているようです。

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やったね、蛭ヶ岳山頂へと到着しました。
風が強くて寒さを感じますが、清々しい山頂となっております。360度を見渡せるので、壮大な展望を堪能する事が出来ます。

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「そこ立って」、「次はあっち向き」知人の指示のもと強制記念撮影です。言われるがままポーズを取る私を、周りに居合わせたハイカーさん達がクスクスと笑っていました…
たぶん、20枚ぐらい撮らされました。

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こちらは蛭ヶ岳の山荘です。
知人は名物のカレーを頬張りご満悦でした。気さくな従業員の方やお客さんと盛り上がった知人は、お喋り癖がここで爆発。1時間半ほど滞在する事になりました。

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予定では丹沢山にも寄るはずが、知人のせいで断念せざるを得えない時間となりました。
あの記念撮影とお喋りさえなければ…
知人は計画短縮に興味はないらしく、そそくさと来た道を引き返して行きます。

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ミスタードーナツの期間限定ドーナツがどうたらこうたら…意味不明な事を話しながら、気付けば戻って来ていました。

車で帰りながら丸亀製麺のカレーうどんを食べました。とても美味しかったです。
天気が良く、少し風がありましたが寒さはなくて楽しい1日となりました。

「来週は河口湖の方ね!」

勝手に予定を立てる知人。
は?ひとりで行けば…と言う度胸もない私。また来週もこの人と山歩きです。

丹沢の自然とエネルギッシュな知人に感謝。

kuntakinte1980 at 12:26|PermalinkComments(0)

2021年01月09日

わたしの読書感想文

強烈な寒波が襲来しております。
厳しい冷え込みに見舞われ、布団から出られずに困っております。
寒さに対し非常に弱い私は、冬場とくに厳冬期は冬眠状態で休日を過ごす事になります。

そんな冬眠時に強い相棒が文庫本です。

布団外活動を最小限まで減らし、休みの日の大半を布団内で過ごす。ここぞとばかりに読書に明け暮れるのが、私のスタイルとなります。

さて。
ここ最近で読んだ本の中より、面白かった作品を本日はご紹介します。

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ご存知の方も多いとは思うのですが…

湊かなえさんの『山女日記』です。

様々な悩みや不安を抱える女性が登場してきます。結婚、離婚、婚活、転職などなど。
そんな悩める女性達が、自分を見つめ直す場所、あるいは答えを出す場所として山を目指すと言った物語になります。

決して堅苦しい内容ではなく、ユーモラスに描かれており楽しく読み進めることが出来ます。

8編の短編集となります。
山を舞台に様々な女性達が繰り広げる、葛藤や涙や笑いの物語。

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私にも同様な悩みを持った知人がいます。
よく一緒に山へ行きます。

山が好き。温泉が好き。カメラも好き。仕事も頑張りたい。そして『結婚したい!』
なんとも欲張りな知人です。

一緒に山を歩きながら、色々な話しをします。
「結局、好きな事に熱中したいのなら独身になっちゃうのかなぁ…」と。
20代の頃に付き合っていた彼より「結婚するなら山は控えてくれ」と言われ、山を選んだ知人。
10数年が経過した今でも、知人は【自分の選択は正しかったのか?】と戸惑ってしまう事があるようです。
そんな思いを払拭するために、国内外を問わずに知人は山へ。

とにかく山を歩きまくる。

(いつか良い彼がきっと見つかるよ)と言われ続けて、気付けば40代。
最近ますます面白くなってきた知人。

作者の湊かなえさんに、小説の主人公として物語を書いてもらったら、きっと楽しい内容になると思われます。
本人は複雑な気持ちだろうけど。

『あんたさ、人の事言えないからね!』と怒る顔が目に浮かびます。

湊かなえさん『山女日記』
気持ちがほっこり出来る本です。良かったら読んでみてください。

では、また。

kuntakinte1980 at 22:52|PermalinkComments(0)

2021年01月05日

てくてく散歩@新春ハイク

2021年 1月3日、奥多摩駅から見上げた空は、雲ひとつない見事な晴天が広がっていた。新春の山歩きをしようと、駅前の広場はたくさんの登山者で溢れている。
寒さに身を縮ませながら広場を抜け、足早に登山口へ向け移動をする。
「それにしても、今日は寒い」
ひとりでブツブツ言いながら、登山口の脇にあるベンチで身支度を済ませる。

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少しずつ陽が登ってきてはいるが、気温は低く手元の時計ではマイナス2度。早くもかじかみ始めてきた手を擦り合わせ、靴ひもを結ぶ。
白い息を吐き出しながら深呼吸をし、登山口から斜面へと登り始める。
序盤は急登が続いている。心拍が上がり過ぎないように注意しながら登ってゆく。

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明日からは仕事初めだ。何も今日こんな寒い思いをしてまで山へ来なくても良いのではないのか?
朝方の布団の中で思いついた愚痴を、また思い出し愚痴ってみる。来たのが正解なのか、布団に留まるのが正解なのか、煮え切らないまま斜面を登ってゆく。
そもそも予定していた新春ハイクは昨日だった。それなのに…朝方の強烈な冷え込みと、馴れない飲酒のせいにして、結局そのまま布団に籠城してしまったのだった。

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しばらく急登をこなすと、見晴らしの良い場所に出た。指先は相変わらずジンジンと冷たい。荒い呼吸を続けたせいか、喉がひっつくように渇いている。ザックを降ろし、ポットのお茶を飲みたいが面倒くさいので我慢する。歩くこと以外の動作が億劫に感じてしまう。
澄んだ空気によって山並みがくっきりと見える。ぐるりと奥多摩の山々を見渡すと、まだ自分がさほど標高を上げていない事も分かってくる。「…やれやれ」再び足を義務的に動かし、坂道へと向かってゆく。

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昨日の晩に姪っ子達から電話があった。
「おじさん、お年玉ありがとう」と感情の読み取れない口調で告げてきた。
親の言いつけで仕方なく、と言ったところだろう。
いくら可愛い姪っ子達とはいえ、成長と共にお年玉の額も上がってきている。ここ最近は数万円が4人の姪っ子達の為に消えてなくなる。
数年先を考えるとゾッとする。
しかし、自分も子供の頃を思い出すと、やはり親類の叔父さんや叔母さんに同じようにお世話になったではないか。
自分には子供がいない。せめて兄達の子供ぐらい喜ばせてあげるのが、独身の叔父が有する唯一の存在意義だろう。

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急な坂道は終わり、なだらかなアップダウンへと道は変わっていく。日陰はまだ寒くて敵わないが、日向は幾らか温かみを感じる。
適当な場所を選び、最初の休息をとる。
熱いお茶が前歯にズキッとしみる。手足は暖まったが、顔面だけがキンキンに冷たい。
感情を顔に出すという当たり前なことが出来ず、周りの人達に誤解をされる事がある。
必要以上に周りの人達に気を使わせてしまう。ならばと雰囲気に合わせて表情を作れば、ぎこちなさ故に心配されてしまう。
不謹慎なことだが、コロナの一件でマスク着用が一般的になった今、表情が不器用な自分は過ごしやすさを感じている。
心が冷めている訳ではないのだ。

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登山道に陽が差し込む。
体温の上昇と一緒に気持ちもほぐれる。お気に入りのフルーツゼリーを噛みながら、道を進んで行く。
この気分は布団の中では決して味わうことは出来ない。頑張ってここまで到達しなくてはならないのだ。お菓子のゼリーがここまで美味しく感じられるのも、ここまで来たから。ね。ね。

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【人生80年】とするならば、自分は今ちょうど折り返し地点ということになる。
チョロチョロと流れ落ちる湧水を見て、ふとそんな事を思い出した。自分もいつかは渇れてしまうのだろうか。今の自分は、ちょうどこのパイプの水くらいかもしれない。
でもここの水は、もともと年間通していつもこの位いだ。増えもしないし、これ以上減りもしない。ずっとこの量なのだ。
ならば自分も、チョロチョロながらもこの先このままいけるのかもしれない。

「…なにが?」

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この山の名所『天狗の腰掛け杉』だ。
なのに真横から写真を撮ってしまうあたりが、センスのなさだろう。
これじゃ、ただの杉の木にしか見えないではないか。残念過ぎて笑えてくる。
写真データの整理をすると、大半がこのような意味不明な写真となる。
その時は何かを感じ、意思を伴ってシャッターを押すのだが、後日になると我ながらに理解に苦しむのだった。

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山歩きも中盤を過ぎ、クライマックスを迎えようとしている。
今日のハイクで一番の見晴らしの良い場所だ。
好物のおにぎりを頬張りながら、ぼーっと景色を眺めている。なんとも贅沢な時間だ。
団体行動が得意ではない自分が、山歩きを趣味としたのはただの偶然ではないのだろう。
ソロでありながら他者と同じ道を歩き、同じ場所を目指す。挨拶はするけどそれ以外の会話は必要としない。身の丈さえ間違えなければ、さほど危険なこともない。
中途半端な自分にぴったりだと思う。

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道はいつしか下り坂になっている。
キツイ登りを過ぎ、幾つかのピークを経て。
昼過ぎの太陽は柔らかな光を放つ。夏の太陽とは違って、控えめでとても繊細だ。
影も薄く感じられる。ぼんやりとした輪郭だけを地に落としている。
時より吹く冷たい風が、鼻先をツンとさせる。
道はまだ続いている。

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標高が下がると気温が上がる。
おでこが汗ばみ、ニット帽がチクチクと痒く感じる。
残りの行程が少なくなると気力が増える。
ここに来てようやく楽しいと感じる。
休日が増えるとお小遣いが減る。
今年の正月休みは4日間。この位いがちょうどいいと感じる。
仲間が増えれば楽しみも増える。
そりゃそうだ。

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五日市の町並みを眼下に捉え、踏み跡を辿って下りてゆく。足の裏から伝わる路面の凹凸が心地好く全身に広がる。
マイナーなコースには、先ほどから人の気配がしない。ぽつりぽつりと残されている赤色のテープだけが、道を外れていない事を教えてくれる。40年前の地図には記載されているが、荒廃の為いつしか地図から消えた道。
地元の人が今もひっそりと守っている道。

町はもうすぐそこ。

冬の太陽を背中に感じ、歩く鼻先にツンと風が吹いてゆく。


kuntakinte1980 at 00:49|PermalinkComments(0)